対談後記

いつも思うことだけど、佐野さんと打ち合わせ(仕事での)を終わった後は、
ぐったりくる。
それだけいつもいつも佐野さんは真剣勝負なんだと思う。
相手が真剣だとこちらも思わず姿勢を正してしまう。
今回の僕のわがままなリクエストに佐野さんはレコーディングの真っ最中だというのに大切な時間を割いてくれた。
所要時間は約1時間。
スタジオの海の見えるロビーで僕は椅子に座り、佐野さんはずっと立ちっぱなしで話し続ける。あのライオンウォークで。
僕の最初の問いかけに、ひとつひとつゆっくり言葉を探しながら話し出す。
そしてどんどん加速していき、数分後には完全に佐野さんのペースになっていた。
カメラを向けていた僕はいつの間にかファインダーから目を離していて、ろくでもなアングルになっていた。
ということで今回映像はあるんですが、お見せできるものにはなりませんでした。

佐野さんが言うディレクターに必要な“ユーモアのセンス”は身にしみる思いでした。
いつも物事を見るとき僕はカメラのファインダーを覗くような見方をする習慣がある。
はたしてそれは物事の全体像を見据えられているのだろうか?
ピンポイントで物を観るのはやめようと常々思っているんだけど、ついついカメラを覗くとそうなってしまう。
人間的な成長が不可欠なディレクターとしての要素。
佐野さん、また素晴らしい言葉ありがとうございました。

いよいよツアーが始まります。
今回も素晴らしいステージになる予感がひしひしと感じられます。
そしてそのステージをまた撮れることに感謝しています。

        

                                 林ワタル


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