H それとね、意外なっていうか、それはもうKYONの中ではあったと思うんだけど、
テレビ音楽、映画音楽を前からやりたかったっていって、テレビ、ほら何の番組だったっけ?
K ああ。
H 犬の、堂本(剛)、Kinki Kidsのさぁ…
K Kinkiの「ロシナンテ(向井荒太の動物日記愛犬ロシナンテの災難
)」ですね。
H そうそうそう。それ見てて、音楽がKYONになってて、「えー」とか思ったんだけど。
で、KYONに聞いたら、いや昔からやりたかったんだよって。
K うん、そうそう。
H 今もそうなの?
K 今もやりたい。
H ああ、本当。で、なんで?
K だからそれは、テレビやってたのもあるし、それはね、もう単純にあれですよ、
俺やったらこうしたいっていうのがあるじゃないですか。映画観ても、テレビ見ても。
H うーん。
K ちゃうやろ、ここ。(笑)この方がおもろいんちゃうか、とかいうのが。それはみんなそうなんやろうけど。
H うんうん。
K それがあるんで、やってみたいですよね、そういうのは。
H へー。それは誰かの、映画音楽の巨匠に感化を受けたとか、何かそういうことはあるの?
K いや、まぁ基本的にはどの映画を見ても感化は受けますけど。
そらもう、古くはハリウッドのミュージカルみたいな人で、アステア(Fred Astaire)みたいな世界から、
ジャズ・エイジなものから。昨今のいろんなワールドミュージックの感じの、ラテンのやつとかもそうやし。
H うん。
K まぁテレビは割と、どっちかって言うと小回り系じゃないですか。
H うん。
K 大回りじゃないから。まぁ、気楽に仕事できるんでね、大きいですけど。
だから段々段々、佐野さんとかも結局そうやねんと思うねんけど、
一個のプロダクションに対して、ある部分だけやっとけば、分業制で、いいやっていうのが、
段々もう、それではおもしろくないじゃないですか。
H うんうん。
K ある程度、コラボレーションする以上は、お互いに他のスタッフ、映像なら映像のスタッフ、照明なら照明とか。
いろんなスタッフとやり取りして、物作っていかないとおもしろないから。
一番、その普通に、例えば、アルバムの一曲だけレコーディングにっていうのだと、
それやったら、分業制から見れば非常に、一番、細いプレーヤーだけの感じ。
H うんうん。
K それよりはもうちょっとね。
テレビのそういう音楽は、もうちょっと演出の人とかさ。
H うんうん。
K あの時もだから、撮ったやつをそのまま、5本なら5本、録ったやつそのままにしてもらったり。
全部コピーしてもらって、テイク10くらい入ってるやつも。
雰囲気もね、その辺から全部つかんだ上で作るとか。
何回かコマーシャルとかもやらしてもらったりしたんですよ。
H ああ、本当。
K おもしろいよ、やっぱり。その辺のやりとりが、一緒に物作ってるって感じでね。
H ふーん。俺はね、逆にね、テレビの音楽とか映画の音楽っていうのは、
ストーリーとか脚本があってそれに対して音楽を付けましょうっていう形でしょう。
じゃなくてね、俺は、まず音楽があって、例えば一曲あるじゃない。
K はあ。
H で、それに対してストーリーを付けるっていうのがね、何か面白いかなぁと思って。
今後俺のやりたいことって、そういうことなんだけど。
K なるほど。
H ショートストーリーのね。それが効果的に、最後にバッとその曲がかかって。そういうのかっこいいなぁと思って。
K うんうんうん。何か、タランティーノ(QUENTIN
TARANTINO)とかそんなんやってたよね。
H そうそうそう。
K あいつの映画とか見てるとね。あれ絶対先に選んでるよね、曲をね。
H そうなんだよね。絶対そう思うんだけど、そういうのを何かやりたいなと思って。
この前もお芝居見に行って、ちょっと余談なんだけど、「おかしな二人」っていうさ、
日本で、小林聡美とね、キョンキョン(小泉今日子)がお芝居やってて。
K はいはい、やってますね。
H それを見に行って。あのお芝居の最後にね、「女が泣く時って、こういう時なのよねぇ」とかって言って、
あれがかかるわけよ、ボブマーリーの…
K 「No Woman No Cry」。
H そうそうそう。あれがバーンてかかるわけ。
この作者、絶対この曲を最後にかけたいがためにこのストーリーを作ったんだなみたいな。(笑)
K うんうんうん。
H そういうのをやりたいんだよね。なんかそういうの、かっこいいのやりたいなと思って。
K 芝居もいいよね。芝居も好きでよくね。
H ああ、本当。
K 特に野田(秀樹)さんとか大好きなんで、あの辺とか。
H 一緒に仕事とかしないの?
K 仕事は…(笑)専ら見に。
H 本当に。(笑)お芝居の音楽、でも、面白そうじゃない。
K うんうん。ああいうのもね。
H CHABOさん何か、古井戸の頃さ、生演奏でやってたよね、お芝居で。
K ああ。
H そういうの面白いよね。
K うん。そう、だからいっぱいあんねんね、そういうの。
(山本)耀司さんのパリコレのとかも、ピアノだけでやったりとか。だから、色んなとこであるからね。
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