KYONインタビュー 第二回
at シガー・バー シャドネィ 2002.12.2
H で、今度、HARRYの最新作のことについて、プロデュース的な観点からいろいろ話をしてほしいんだけど。
K うん。
H たぶんHARRYは、佐野さんなんかもそうだけど、HARRYは特に色が濃いじゃない。
K うん。
H で、それをプロデューサーとしてね、どういう風に色付けしようとかさ、
プロデューサーとして一番最初に考えてたことっていうのはどういうこと?
K そうやなぁ、今回は特に、曲がもう既にHARRYの中であって、蓄えがあって。
で、やり方としては同じメンバーでベーシックな形を作って、録っていきたいっていう、明確なものがあったから。
H うんうん。
K だから、普通やったら一曲一曲、まずレコーディングメンバー誰にしようかぁ、とか。
どこで録ろうかとか、楽器どうしようとか。
結構そういう部分はもう鼻からやらないタイプですから、レギュラーメンバーでずーっと。
H うん。
K まぁ、形式、バンドに近い形ですよね。
で、まぁ、形としてすごい、キース(Keith Richards)のソロプロジェクトのX-PENSIVE WINOSみたいな。
ああいうバンドの感じ。
ドラム、ベース。で、場合によっては楽器が変わったりね。
H うんうん。
K キーボードが前曲ソロで入ってるとか、ギターが常に二本立ってるとかいうんでなく、楽曲に応じて割といろいろやったりして。
で、たまに女性コーラスがずっと入ってるとか、っていう形。
で、やっぱりソロプロジェクトとして、少なくともHARRYがこれが自分である部分はそのまま。
まぁ、より自然にプレーしてもらえるように。
H うんうん。
K いろいろありますからね、それは本当に時間かけてアルバムとか作るんやったら、そこ全部否定してから始める様な手法もあれば。
でも今回は、良いか悪いか、僕は彼のギターなり、何せ、あの声が好きで。
それもすごい基本的なあれですけど。
H うーん。
K 声良いよねぇ。
H うーん。
K 歌がいいんでね。ちゃんと日本語で、妙に変な発音ないし。ちゃんと起伏があって。
いないんですよ、はっきり言って。
H そうだね。one and onlyでね。
K うーん。ものすごい一番シンプルなことやねんけど。
ある時期から、まぁ、比較してどうのこうの言うあれじゃないんだけど、
あんまり発音がひどい日本語は僕はあんまり好きじゃないし。
H うんうん。
K 佐野元春みたいなオリジナリティーとか、清志郎みたいなオリジナリティーは大好きだけど。
で、英語なんか日本語なんかわからん(笑)、発音はあんまり好きじゃないですけど。
HARRYは歌だね。
H うん。
K で、全然ロックンロールだけじゃなくって、でほら、ちょうど時期的に資料とかもらった時に、弾き語りで回ってたのを、
H うんうん。
K 聴かしてもらった時に、アコースティックギターで。やっぱりその本当にカントリー、アメリカのカントリーミュージックとか、
勿論、ストーンズ、キースとか大ファンなんやけども、アメリカのカントリーミュージックの香り。
フォークじゃなくてカントリーロック。
H うんうんうん。
K そこはもう、僕も、もうむちゃくちゃ好きなジャンルやから、そういうイベントとかまでやってたくらいな感じやから。
是非、そういう部分をね、ドラムとか入ってないような曲も何曲か入れて。
H うん、具体的に言うと何て曲?
K それはね「Midnight Sun」とか。
H あぁ。あと、あのレゲエの曲俺すごい好きなんだよ。
K あぁ、「You Can't Be Serious」。
H そうそうそう。
俺、今回のアルバムはねぇ、本当個人的にはすごく好きで、KYONがいなかったらできなかったなと思って。
素晴らしいアルバムできたなと思ったけど、一番KYONの中で印象に残ってる曲とかって。これはうまくいったなぁみたいな。
K んん、そうだな、やっぱり「Midnight
Sun」、「十字路に立って」。
で、やっぱり「You Can't Be Serious」と「Sweet Pain」ですかね。
H うん。
K もう「No Ecstasy」みたいな、本当にバリバリのああいうロックンロールのも好きやけども、大好きやけども、
すっごい良い作品にできたと思うけど「No Ecstasy」なんかね、特に。
でも、やっぱりそれはある程度、何て言うの、聴く人もね、わかる世界じゃないですか。
H まあね。
K やっぱり、「十字路(に立って)」みたいな、あんだけ真治が、武田真治がサックスをバーンと、
で、俺がオルガン弾いてた構造。
あの辺とか、女声コーラスが入ってたりとかね、レゲエのね。
H うんうん。
K ああいうのがね、ちゃんとできたのはすごいよかったよね。
H いや、すごいよかったよ。今までのHARRYの音楽の中になかったもんね。
だってキーボードが入ってきたりさ、女性コーラスが入ってきたり。だからKYONじゃなきゃできなかったなと思うんだけど。
K うんうん。
H で、今回、KYONはギターは弾いてないの?
K アコギはね、結構一緒に弾いたり。
H ああ、本当。
K うん。
H 何て曲?
K だから「No Ecstasy」とか、あと「Midnight
Sun」も「放蕩息子」も、アコギ何本か入ってるんで。
H ああ、本当。
K 一緒に並んで弾いてるんですよ。チューニング変えたやつとかで。
僕は、高い、12弦の上だけのやつとか。で、交換したりして。キャラクターのね、違う。
H ふーん。
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